2016年11月29日火曜日

My Recommendations No.96「がん-4000年の歴史-上・下」

今回のMy Recommendationsは,野地澄晴 徳島大学学長にご推薦いただきました,「がん-4000年の歴史-上・下」(シッダールタ・ムカジー / 早川書房)です。
野地先生,書評をお寄せくださいましてありがとうございます。

では早速,おすすめコメントをご紹介します。

がんは誰しもかかる可能性のある疾病である。日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡していると言われている。地球全体では700万人以上の人ががんで亡くなっている。がんとの戦いの歴史を書いている本である。文庫本としては厚く、しかも上下に分かれている本であるが、読み始めると止められなくなる本である。著者は現在、米国ニューヨーク市のコロンビア大学医学部の助教授で、医療センターの医師である。この本の執筆により、2011年にピューリッツァー賞を受賞している。現在、がんの治療はプレシジョン・メディシンの時代に突入し、遺伝子の変異に基づいた治療が行われているが、ここに至る長くて悲惨ながんとの戦いが素晴らしい文脈で語られている。まさに、ノンフィクションの最高傑作であろう。この本により、がんについての知識が得られるが、魅力的な本の書き方を学ぶこともできる。

野地先生がおすすめくださいましたのは文庫版の方ですが,改題前の上製本を蔵本分館で所蔵しておりましたので,取り急ぎ,こちらを展示させていただきました。
上製本のタイトルは「病の皇帝「がん」に挑む : 人類4000年の苦闘」となっており,こちらも上・下2冊に分かれています。医学の知識を持たない一般読者にも分かりやすく書かれていて,数ページ読んだだけでも引き込まれます。

本日より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示していますので,ぜひ手に取ってご覧くださいね。
皆さんのご利用,お待ちしております!


 sm