2014年11月28日金曜日

文芸コーナーの本を入れ替えました(12月分)

毎月図書館では「蔵本文芸コーナー」の図書を25冊入れ替えて展示しています。
ちょっぴり早いですが、12月分の文芸コーナーの入れ替え図書を展示しました。

 
今回も様々なジャンルから図書を選んでいます。
ぜひご覧になってください。

 
   
 
H

テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」に新しい本が追加されました

大好評開催中の第31回テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」に,新しい本が入りました。

11月12日の記事 「テーマ展示に新しい本が入りました」にて,新着図書のご紹介をした際に「洋書がもう1冊入荷予定」と書きましたが,ついに入荷いたしました! さっそく展示しています。
「Psychodynamic neurology : dreams, consciousness, and virtual reality/Allan Hobson」(請求記号491.371||Ho)

なかなかインパクトのある表紙です。
どうぞご利用ください!

(KY)

2014年11月27日木曜日

「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」学生さんからの感想

11月15日(土)に行われました「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」に参加した,薬学部薬学科4年 伊藤智平さんから感想を寄せていただきましたのでご紹介します。参加した動機や苦労したこと,良かったことを率直に綴ってくれています。
ありがとうございました。

EBMとは何か、今回のワークショップには講義では何度も耳にするEBMへの理解を深めたくて参加した。
ざっくりと説明するとEBMとは、臨床の現場で起こっている問題の明確化を行い、その問題に関連する臨床論文を見つけ、その論文を批判的に吟味し、患者の状況などを加味したうえで適応の可否を決定・実施し、最後に一連の作業を振り返り問題点や改善策を整理し、次に生かすという手順になる。
言うは易しであるが、実際に行うとなるとまず何が問題となっているかという所でつまずき、関連論文を探すところで呆然となり、論文を吟味するための英語能力の不足を改めて知ることとなり、検査前オッズや尤度比といった用語をみて、過去にすれ違い今は遥か彼方に行ってしまった知識を嘆くことになる。
しかし、参加してよかった事もふたつある。ひとつは、自分の足りない実力でもなんとか食らいつけそうなEBM実践のコツのようなものを学ぶことができたこと。ふたつ目は他学部の生徒や教員と同じテーブルで話し合うことができたことである。徳島大学は同じ敷地内に医歯薬学部があるのに4年間在学して他学部と交流したのはこれまで1度しかなく良い刺激となった。
このワークショップが開催されたのは今回が初めてとのことであるが、多学部連携の機会として、また来年には知識万全・英語堪能となっているはずの自身のリベンジの場として、来年も開催されることを期待している。

関連記事:
「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」を開催しました
「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」学生さんからの感想 その2
(KY)

「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」を開催しました

蔵本分館では、去る11月15日(土)に倉敷中央病院救命救急センター長の福岡敏雄先生を講師としてお迎えし,「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」を開催しました。

5時間を越えるワークショップでしたが, 医・歯・薬の各学部から学部学生や院生の方,HBSや病院の先生方と幅広い分野から33名が参加していただきました。

福岡先生の講義では,EBMのイメージや治療の目的について参加者の方とのやり取りを交えながら,EBMには何が必要か,より妥当な意思決定を行うために自ら調べ判断するにはどのような手順を踏めばよいのか,楽しく,かつ熱くお話いただきました。


また,図書館職員による情報入手のポイントについての講義と検索実習も行われました。 単にデータベースの使い方を説明するのではなく,EBMのステップを踏まえて効率的に情報を入手するポイントを解説する,という新しい試みとなりました。

午後からのグループワークでは,症例シナリオをもとに論文の質をチェックポイントに沿って吟味し,患者さんに適応できるかを考えるという課題にグループで取りくみました。
全国各地から来てくださった経験豊富なチューターの方々のご協力もあり,非常に白熱したディスカッションが見られました。各グループの発表も参加者全員が熱心に聞き入り,それぞれが自分たちの結論と照らし合わせ,考えているようでした。


最後に,福岡先生が「今感じている気持ちを大切にしてほしいので,感想を言ってもらって終わりにしましょう」と話され,一人ずつ感想を述べました。
皆さんこのワークショップで得たものや新たな迷いについて率直に話されており,よい振り返りの時間となりました。また,多くの方が「他の学部の人とディスカッションできてよかった」と話し,蔵本キャンパス全体をサービス対象としている附属図書館の利点を活かしたワークショップとなったのではないかと思います。
参加者の皆様,お疲れ様でした。
そして,福岡先生,チューターの皆様,ありがとうございました。

なお,このワークショップは,学長裁量経費(平成26年度パイロット事業支援プログラム・教育改革支援事業)によるもので,エビデンスに基づいた医療を実践することの重要性を学び,より質の高い医療情報を取り扱える人材の育成を支援するため,附属図書館が企画・主催し,HBS医療教育開発センター,医学部・歯学部・薬学部の各教務委員会,病院キャリア形成支援センター等関係部局の協力により行われました。
ご協力いただきました皆様にこの場を借りて心よりお礼申し上げます。

関連記事:「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」学生さんからの感想
(KY)

2014年11月26日水曜日

落葉


連休は天気に恵まれ,紅葉狩りに出かけた方もいるのではないでしょうか。
図書館前の木もオレンジや黄色に彩られて見応えがあったのですが,ここ2日は冷たい風に吹かれ,一面落ち葉になってしまいました。
落ち葉色に染まった地面を見ると,これはこれで温かみがあって素敵だなと思ったり,でもやっぱり寂しいなと思ったり。

いよいよ冬ですね…。

2014年11月25日火曜日

SciFinder講習会を行いました

蔵本分館では,11月20日(木)に化学情報協会から講師をお招きしてSciFinder講習会を行いました。
当日参加の方も含め,基礎編・応用編あわせてのべ40名の方にご参加いただきました。
ありがとうございました。

ご存知のとおり,SciFinderは生化学・化学・薬学・医学・工学などの幅広い化学分野について世界最大級の情報量を利用できるデータベースです。

職員KYが図書館で働き始めた約20年前には,Chemical Abstractsという冊子体が普通に使われていました。化学の知識があるわけでもなく,代行検索の時などは本当に困りました。
CA on CDというCD-ROMの時代を経て今のSciFinderがあるわけですが,化学物質の構造を作図して検索できるようになった時の衝撃は,今でも忘れることができません。

しかし,昔も今も変わらないのは,物質の検索に強みを発揮するということ。
これは一般的なサーチエンジンとはもちろん,PubMedなど蔵本地区の皆さんがおなじみのデータベースともまた違った特徴です。
物質検索が必要な方は,ぜひSciFinderをご利用ください。

※SciFinderの利用にあたっては,ユーザー登録が必要です。
図書館ホームページ内,SciFinderの解説ページ にユーザー登録へのリンクがありますので,登録後ご利用ください。
(KY)

2014年11月21日金曜日

IFRって

本日のラーニング・コモンズイベントは、急遽場所をグループ学習室に移動して行いました。

オマー先生の話はとてもたのしく、シャイだった参加者も後半には、英語をもっと話したくなったようです。

フリーディスカッションのテーマは、2つ

ひとつは’Shall education be free?’、日本の教育費の自己負担率の話から医療費の自己負担率、高齢化社会など蔵本キャンパスの学生さんらしい、いろいろな意見がでてきました。

もうひとつのテーマは、‘International Friendship Room’ 
(私がちょっとお邪魔して写真を撮らせていただいたときの会話はこんな感じでした。)

「英会話のインプットを受験勉強でやってきたけど、アウトプットをこれからはやろうよ。歯科英語の授業ではこんなロールプレイをしているんだよ」

「どうして日本では、日本人の友達同士で英語で話しているとかっこいいと思わずにクレイジーて思われちゃうかもって心配するのだろう。」

「クレイジーっていうより、私は失敗するのが恥ずかしいです。」

そんな学生さんの回答(もちろん英語です)に、オマー先生は、ご自分が日本語を学習していたときのミステイクをお話しされ、それを聞いてみんなで笑っていました。

オマー先生も「この失敗のおかげで、エレベータでおりるフロアを聞くときは、なんさいですか?でなくて なんかいですか?」っていうことをしっかり覚えることができたんだよ。って笑いながら話されていました。

その後も楽しいディスカッションは続いたようです。

イベント終了後、友達同士で「今度いっしょにIFR(International Frendship Room)に行こう」と参加した学生さんが相談していました。

歯学部のインターナショナル フレンドシップ ルームは、11月18日の徳島新聞夕刊でも紹介されています。
(BIGPADも使いました)
K

2014年11月20日木曜日

TOKUDAI川柳,あなたの一句を待っています!

10/27から開催しているTOKUDAI川柳,いよいよ応募締切まで10日を切りました。
感性豊かな蔵本キャンパス学生の皆さん,もう応募しましたか?
今回のテーマは「本のある風景」です。図書館内でふと思いつくこともありそうですね。
そんな,誰かがパッとひらめいた瞬間を逃さないため, 応募BOXを館内3ヵ所に設置しました。
2階はこの2ヵ所です。

本をめぐって繰り広げられる人間模様など,貴方が図書館で見かける光景を川柳にしてみませんか?
渾身の一句をお待ちしています!!

2014年11月19日水曜日

宮本先生ご推薦図書が追加入荷されました「日本史の謎は『地形』で解ける」

11/14のブログで,口腔外科学分野教授,宮本洋二先生のご推薦図書をご紹介しましたが,今日は入荷待ちだった1冊が届きました。

 「日本史の謎は『地形』で解ける」 です。
シリーズの第1作であり,宮本先生の書評は,本書について書かれたものです。

文頭にある「11/14のブログ」の部分にリンクを貼っているので,書評を読みたい方は是非どうぞ!

最近のMy recommendationsコーナーはジャンルが多彩になってきて,興味ある1冊に出会える確率もグッと高まっています。お時間がある方はチェックしてみてくださいね。

2014年11月18日火曜日

分かりやすい検索式の作り方(文献検索相談承ります)

今日は,大学院の学生さんから「論文を執筆するため,文献検索の方法を知りたい」とのお問い合わせがあり,少し時間をかけて相談したいとのことでしたので,待ち合わせしてラーニング・コモンズで一緒に検索をしました。


論文の種類によっては,文献を検索した過程を書く必要があります。
院生さんは検索はされていたのですが,その過程の書き方がよく分からなくて・・・とのことでした。誰が検索しても同じように再現できるよう検索過程を記述する,というのは実は結構難しいところがあります。

「ここはOR検索でいきましょうか」
「これは前方一致検索の方がいいと思いますね」
など,一緒に検索式を整理し,件数も確認しながら検索をしてみました。

職員KYも,普段は「分かりやすい検索式」「きれいな検索式」というのはあまり意識することがないので,よい勉強になりました。

このように,一言で「文献検索」といっても,その内容は様々です。
困ったこと,分からないこと,ちょっと聞いてみたいことなど, どうぞお気軽にご相談ください。
(KY)

2014年11月17日月曜日

Let's Discuss in English! supported by Dr. Rodis Omar

11月21日(金)18:00-19:30 蔵本分館1階ラーニング・コモンズにおいて第7回蔵本分館ラーニング・コモンズイベントを開催しますので、ぜひご参加ください。

アドバイザーに歯学部口腔科学フロンティア推進室国際化・連携推進部門のオマー先生をお招きしています。

先生から2つのテーマをいただいていますので、テーマについて一緒にフリーディスカッションしましょう。

テーマは、’Shall education be free?’ ‘International Friendship Room’

途中参加もOKです。たくさんの方の参加をお待ちしています。

K


2014年11月14日金曜日

My Recommendations No.32,33,34 「日本史の謎は『地形』で解ける」

口腔外科学分野教授の宮本洋二先生が図書を3冊ご推薦くださりました。
宮本先生,ありがとうございました。

ご推薦くださったのは,以下の「日本史の謎は『地形』で解ける」シリーズ(竹村 公太郎著 / PHP研究所)です。

・「日本史の謎は『地形』で解ける」(2013年)
・ 「日本史の謎は『地形』で解ける<文明・文化篇>」(2014年)
・ 「日本史の謎は『地形』で解ける<環境・民族篇>」(2014年)
 
まずは 「日本史の謎は『地形』で解ける<環境・民族篇>」が入荷できたので,一足先に展示を始めています。


さて,ここで,シリーズ第一作「日本史の謎は『地形』で解ける」(2013年)について宮本先生が書いてくださった書評をご紹介します。

 私は歴史が好きで、NHKの「歴史秘話ヒストリア」や大河ドラマは欠かさず録画して見ています。当然、歴史小説や読み物も好きです。なぜ歴史が好きかと問われると困るのですが、歴史上の人物が、時代の流れや人間同士の葛藤の中で、どのように頭を使って困難を乗り越えたり、はたまた失敗したのかを知ることが面白いのだと思います。たとえば、なぜ源頼朝は幕府を京都ではなく鎌倉においたのか、なぜ明智光秀は織田信長に謀反を起こしたのか、なぜ織田信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたのか? 一般には、信長は仏道から外れた僧侶たちの所行に我慢ならなかったとか、僧侶たちが浅井家に加担していたためとか、キリスト教の擁護と寺社の商業利権を奪取するためとかの理由が挙げられています。これらの理由は、いずれも人文社会学的な考察です。すなわち、人間関係や宗教、経済的・軍事的な損得で歴史が動いているという考えです。私もこの本を読むまでは、その通りだと思っていました。ところが、本書は人文社会分野からいったん離れて、地理や気象、インフラから歴史の謎を推理小説のように解き明かしています。
 本書では18の謎解きをしています。源頼朝はなぜ鎌倉に幕府を開いたのか? 前の権力者である平家が京都の朝廷や公家と癒着して堕落したのを見て京都から離れたかったとか、平家の残党に対して鎌倉で守りを固める必要があったとかが一般的な説明でした。しかし、当時の日本の中心は何と言っても京都であり、日本を統治するには鎌倉はあまりに遠すぎます。電話もメールもない時代ですから。さらに、これまでのどの時代の首都と比べても、極端に狭すぎるのです。邪馬台国の場所は確定されていませんが、それよりも狭かったでしょう。実は、頼朝は京都が恐かったのです。明るく温暖な伊豆半島で青春時代を過ごした健康的な湘南ボーイは、不衛生で疫病が蔓延した京都を恐れて鎌倉に引き籠もったのです。なぜ、当時の首都、京都が不衛生だったのか、なぜ頼朝が鎌倉を選んだのかを、著者は地形やインフラの観点から説明し、独自の説を展開しています。現在の京都とは全く違うスラム街のような京都が目に浮かびます。著者の説得力のある論拠に、目から鱗が落ちる思いがしました。
 信長も比叡山の地形が恐かったのです。元寇は台風で失敗したのではなく、日本の地質と風土に敗北したのです。著者の説が全て正しい訳ではありませんが、こんな物の考え方があったのかということに興奮します。
 本書には続編として、「文明・文化編」と「環境・民族編」の2冊があります。これらも本当に面白い!


こちらも入荷できたらすぐにお知らせしますので,ぜひ読んでみてくださいね。

 N

2014年11月13日木曜日

テーマ展示の看板(睡眠のメカニズムと病気)

前回のテーマ展示「こころの健康」に続き,今回もテーマ展示の看板をご紹介します。

自分の作品に厳しい担当Nさん,今回は初の「いいと思います」が出ました!
確かに,何かに取り憑かれたかのように一気に描き上げ,置きに行っていました。

テーマ展示コーナー前で看板もお待ちしていますので,本やアプリもどうぞご利用ください!

関連記事:看板がお出迎えいたします(テーマ展示)

(KY)

2014年11月12日水曜日

テーマ展示に新しい本が入りました

現在開催中の第31回テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」では,新しい本を4冊購入します。
そのうちの3冊が入荷しました。

  • 「睡眠と健康」(宮崎総一郎, 佐藤尚武編著  放送大学教育振興会)
  • 「眠気の科学」(井上雄一, 林光緒編 朝倉書店)
  • 「Ego Damage and Repair : Toward a Psychodynamic Neurology」(J. Allan Hobson Karnac Books)

今朝,目録担当のMさんが「放送大学の本,昨日できたんでNさんが並べてくれてましたよ」と教えてくれたので見に行ったらもうない!嬉しいことに貸出されていました。

したがって,現在は2冊が仲良く並んでいます。こちらもぜひご利用くださいね。


そして,もう1冊洋書が入荷予定ですので,お楽しみに!
(KY)

新着図書のご案内


新着図書が61冊入りました。
図書リスト一覧はこちら

今回は,2段目すべてが洋書です。
1段目の和書も,酵母から心臓解剖図,クラウンブリッジテクニック,拡散MRIなど豊富なジャンルを取り揃えていますので,ぜひ気になる1冊を見つけてみてください。


いよいよ冬将軍到来です。
皆さん体調を崩されませんように。

2014年11月11日火曜日

ご意見への回答(ゴミ箱の設置)

<ご意見>
自習室等の部屋にゴミ箱を設置してほしいです。
いらなくなったメモ用紙や紙くず,消しゴムのくずなど捨てるところが近くにあると便利だなと思います。
(11月7日)

<回答>
ご意見ありがとうございます。
館内のゴミ箱は1階のリフレッシュコーナーのみのため,他の場所にもゴミ箱を置いてほしいというご意見を何度か伺っております。

「いらなくなったメモ用紙や紙くず,消しゴムのくずなど捨てるところが近くにあると便利だなと思います」というのはその通りと思います。

しかし残念ながらゴミ箱を設置すると,それ以外のゴミ(飲食物)が大量に捨てられるため,蔵本分館では2012年から2階のゴミ箱を撤去しております。

勉強に励む皆さまにとってはご不便をおかけしますが,ゴミは1階のゴミ箱に分別して捨てていただけたらと思います。ゴミの持ち帰りにも協力いただけたら大変ありがたいです。

なお,室内とまではいきませんが,2階のご意見箱を設置している机に消しゴムかす入れとミニほうき・ちりとりセットを置いております。
だいぶくたびれてきていましたので,この度リニューアルしました。
そちらもどうぞご活用ください。


(KY)

2014年11月10日月曜日

医中誌WebにOLD医中誌データが一部追加されます

蔵本地区の皆さまにはおなじみの医中誌Webについてのお知らせです。

医中誌Webは知っていても,その前身は冊子体で出ていた「医学中央雑誌」である,というのはご存知ない方もいるかもしれません。
「医学中央雑誌」の創刊は1903年(明治36年)!すごいですね~

蔵本分館にも創刊号があるんですよ。


でも,医中誌Webには1903年からのデータ全ては入っていません。
では,何年からでしょう?

これまでは「医学中央雑誌」1983年4月号からのデータが検索できていました。
提供元の医学中央雑誌刊行会ではそれ以前の号(「OLD医中誌」と呼ぶそうです)もデータ化する事業を進めてきましたが,この度,11月16日(日)から1977年~1983年3月発行分までの約92万件のデータが加わることになりました。

通常の医中誌Webと同じ画面で検索できますが,検索の際に,少し注意が必要な場合もあるようです。例えば,シソーラスが付いていない,自動マッピングされていない,電子ジャーナルへのリンクが完全でないなど。

サービスが開始しましたら,また改めてご説明したいと思います。
(KY)

BIG PADのこんな使い方(ビデオメッセージ)

先週のこと,グループ学習室にビデオカメラを持ち込んでいる学生さんがいると聞き,取材に行ってきました。
プレゼンのリハーサルをビデオに撮って,見直したりするのかなぁと思っていたのですが,「ところで,今日は何を?」に対する答えは予想に反するものでした。

「謝恩会で,お世話になった先生にビデオメッセージを送りたいんです」

BIG PADにメッセージを表示させ,自分たちも画面に映って言葉を送る,ということのようです。PowerPointで熱心にスライドを作っていました。

なるほど,そういう使い方もあるのですね。頭の固い職員KYからは絶対出てこない発想です。

少し見守っていると「この色にした方が見やすい」「アニメーションを入れよう」など,伝わるプレゼン資料づくりの練習にもなりそうな様子で,こういうのもありだなと思いながら帰ってきました。

先生にも気持ちがきっと伝わると思います。すてきな謝恩会になればいいですね。
(KY)

2014年11月7日金曜日

My Recommendations No.35 「『大発見』の思考法 iPS細胞vs.素粒子」

歯科放射線学分野教授の誉田栄一先生が,ご推薦図書「『大発見』の思考法 iPS細胞vs.素粒子」(山中伸弥・益川敏英 / 文藝春秋)の書評を書いてくださりました。
誉田先生,ありがとうございました。

さっそく書評をご紹介します。

2008年のノーベル賞受賞において、山中先生は、iPS細胞の開発で医学生理学賞を、益川先生は6つのクオークの存在の理論で物理学賞を受賞した。現在の年齢は、益川先生が74歳、山中先生が52歳で、22歳の差は親子といっても良い年齢差である。この2人が司会者などを一切交えないで、長時間にわたりいろいろなテーマに関して自由に対話していることは、異色で大変興味深いと思われる。2人に共通していることは、研究がとても好きであり、若い頃は数学、物理学が得意で、国語が好きでなかったことである。しかし研究者になると国語は非常に重要な科目であることが認識され、できなければ自分の研究成果を正しく表現できずに他人から理解してもらえないことになると警告している。このような偉大な研究者になるには、特定の分野に関する秀でた才能はもちろんのこと、種々な分野にまで精通する必要があるということである。若い研究者たちは、あらゆることを学び得意になるべきであると考えられる。
また2人は普通の研究者からみると、天才でかつ運が良いと思われている。益川先生の話によると、天才には2種類あり、日本人で天才と言われている大部分の人は秀才の延長の天才であるらしい。そしてそれらの研究者はみなわかりやすく、平凡であると断言している。天才であると思える物理学者で日本人をしいてあげれば、南部陽一郎先生(アメリカ国籍で、自発的対称性の破れに関して、ノーベル物理学賞を2008年に受賞)だけであると述べている。実際、研究に関して、生命科学の分野では、お金と人の数がものをいうことを山中先生は強調しているが、分野により異なるらしい。益川先生の言では、素粒子学の分野において、実験系では生命科学と同様にお金と人の数が最も重要であるが、理論系では頭脳であり、2,3人の頭脳集団でディスカッションすることが最も重要であると述べている。
私が考えるに、益川先生は真の天才であることがうかがえる。さらに対照的であることは、山中先生はこれまでに挫折を2回経験したと話している。最初の挫折は、医者になったばかりの頃のことである。整形外科医をめざしたが、大学病院では治すことができない患者さんがほとんどで、何のために医者になったのかと思うようになり、臨床医としては手術がヘタなうえ、さらに手術もできない状態となったことから、逃げるように臨床から基礎研究へと移った時のことである。2回目は、アメリカから帰国し、やっとのことで基礎研究者としてポストを運良く獲得でき研究を続けていったが、研究環境があまりに違うことで、思うように研究が進まず、何のための研究であるか悩み、再び臨床医へ戻ろうかと考えた時である。そして、精神的にうつになったとも告白している。一方、益川先生は挫折の経験はないと言っている。やはり、真の天才は、秀才とは違う人間であると思われる。
これらの話題の他に、宗教に対する考え方、一番の必要性など、まだいくつかのテーマに関して、2人が対話している。今を代表する2人の偉大な研究者はどのように物事を考えてきて、現在何を思っているかということがよくわかり、研究に対する姿勢をあらためて考えさせられる本である。

 今日から1階ロビーに展示しています。
興味のある方はぜひお立ち寄りください。

2014年11月6日木曜日

My Recommendations No.31 「死ぬまでに学びたい5つの物理学」

市川哲雄先生が,もう1冊ご推薦くださったのでご紹介します。
「死ぬまでに学びたい5つの物理学」(山口栄一 / 筑摩書房)です。


それでは書評をご紹介します。

自然科学の分野で、蔵本地区の基盤である生命科学と対極に位置する物理学を5つの革命的な理論に絞って、それを生み出した5人の人間ドラマと絡ませながら、思考プロセスはどういうものかを論じたものである。
ここでの5人とは、万有引力の法則を発見したニュートン、統計力学の端緒を開いたボルツマン、エネルギー量子仮説を立てたプランク、相対性理論を打ち立てたアインシュタイン、量子力学の確立に貢献したハイゼンベルクである。
元エール大学医学部長のルイス・トマスは「医学は最年少の科学」といったそうだが、生命科学も数学、物理学に比べれば、その成熟度は低い。しかし、分子生物学の時代になり、物理学、数学も避けては通れない。しかし、本書は、物理学を単に道具として解説しているのではなく、科学はいかにして創られてきたかを「創発」、「回遊」という言葉を使って自説を展開している。末尾には山中伸弥先生のiPS細胞の発見にも言及している。
実験、実験でデータをかき集める生命科学を目指している人にとっても、物理・数学が好きな人にとっても、学生教育はどうあるべきかを考えている人にとっても興味深い書であると思う。

こちらも今日から展示しています。ぜひ1階ロビーへお立ち寄りください。


My Recommendations No.30 「小澤征爾 覇者の法則」

口腔顎顔面補綴学分野教授の市川哲雄先生が,ご推薦図書「小澤征爾 覇者の法則」(中野雄 / 文藝春秋)の書評を書いてくださりました。市川先生,ありがとうございました。


それではご紹介します。

小澤征爾は、ボストン交響楽団の音楽監督を29年にわたって務めただけでなく、ベルリン・フィルとウィーン・フィルの定期演奏会の常連として活躍し、最後はウィーン国立歌劇場管弦楽団の音楽監督まで務め上げた、ご存じのとおり日本が世界に誇る指揮者である。
本書は、単にその歩みが書かれているのではなく、彼の成功の秘密はどこにあるかの切り口で綴られている。さらにそれを音楽性ではなく、人間くさいところから考察している。『世界の一流の人から、「お前のためなら」という無私の好意を引き出してしまう特異な才能を、小澤征爾という人は体内に持ってこの世に生まれてきたのではないか』、『私は彼の才能とその背後にある「何か」について、更に語っていきたい。その中に、こと音楽家に限らず、人生における「勝者の法則」とも言えるものが見出せるのではないか』と語っている。
実は、ほとんどの成功者は、そこに至る過程で、多くの人の支援を受けており、それがなくては絶対に一流にはなれない(代表的な例外は、数学者のエヴァリスト・ガロアかな)。研究も実はそうであって、指導者、先輩に可愛がられ、彼らに教えてくれる意欲を持たせ、研究や発表の機会を与えられなければどうにもならない。それは研究能力だけでなく、「何か」があるわけで、この「何か」と「勝者の法則」を解き明かそうとしているのが本書であり、興味深い。



 
今日から展示していますので,ぜひご覧ください。

2014年11月5日水曜日

新着図書のご案内

11月に入り,肌寒さがグッと増しましたね。風がとても冷たく,今朝も身を縮めて歩いてきました。
さて,11月最初の新着図書は,ご覧の78冊です。
 入荷図書リストはこちら

その中で,個人的にも気になるこの図書を正面に置いてみました。
「老化の生物学 その分子メカニズムから寿命延長まで」(石井直明・丸山直記編 / 化学同人)です。
1990年,世界初の寿命遺伝子発見を突破口に,老化のメカニズムの解明は着実に前進してきました。テレビや書店でも,「アンチエイジング」という言葉をよく耳にするようになりましたね。
この図書は,以下の5パートで組み立てられています。
Ⅰ.ヒトに起こる老化
Ⅱ.細胞の老化と固体の老化の接点
Ⅲ.老化に関わる遺伝子と環境,そのメカニズム
Ⅳ.寿命延長の効果,そのメカニズム
Ⅴ.老化研究の問題点と未来

特にⅣは,誰もが気になるところなのではないでしょうか。本書のまえがきにも「誰にでも起こる生命の営みのなかの必須の生命現象であることから,老化や老化研究に関心のある他分野の方や一般の方にもぜひ読んでいただきたい」とあります。もちろん,れっきとした専門書なので一般の方には非常に難解ですが,興味がある方はぜひ読んでみてください。

アプリでStudy!「3D Brain」

今日から始まりました第31回テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」では,昨日紹介しました「Brain Tutor 3D」と「3D Brain」,2つのアプリを展示します。
今日はアメリカのコールド・スプリング・ハーバー研究所が開発したアプリ,「3D Brain」の解説をしたいと思います。

「3D Brain」はiPhone,iPad,Android対応の無料アプリです。アプリ内課金があるためアプリを立ち上げると課金の案内をされますが,案内画面を消すと無料のままで使用できます。 (※アプリの価格は記事掲載当時のものです。購入時は必ずご自身で確認をお願いします)。

3D Brain - Cold Spring Harbor Laboratory(iOS)
3D Brain - Cold Spring Harbor Laboratory(Android)

このアプリでは,脳の構造を29部位に分けて,3D画像を見ることができます。

では,早速見てみましょう。

キレイですね。脳の各領域が色分けされています。
画面右側にメニューが出ていますので,Structureアイコンをクリックすると,各部位のリストが出てきます。
ここはひとつ,私(職員KY)でも知っている有名部位,海馬(hippocampus)を選んでみましょう。

色を付けてくれているので,どこにあるか分かりやすいですね。
回転してみましょう。 360度回転でき,不要な部分は透けて見えるので,脳のどの辺りにあるか,位置関係がよく分かります。

このアプリでもう一ついいなと思ったのは,Infoアイコンをクリックするとその部位の概要,ケーススタディ,損傷した場合にどうなるかなどの解説が読める点です。

そして,参考文献リストには,PubMedの検索結果へのリンクも張られています。
より深く勉強したい方には便利な機能かと思います。
すべて英語ですが,その分各部位の英語名を覚えるのに使えますし,解説は英語嫌い人間の職員KYでも読みやすかったです。
どうぞお試しください!
(KY)

第31回テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」

今日から第31回テーマ展示「睡眠のメカニズムと病気」が始まりました。
今回は,統合生理学分野教授でStudentLab統括の勢井宏義先生に監修していただきました。


人間の三大欲求の1つ,「睡眠」に,私たちは一生の時間の約3分の1を費やすと言われ,その役割と効果は多岐にわたります。心身の疲れをとるだけでなく,記憶の定着や免疫機能の増大など,「明日の自分」に必要なあらゆるパワーを「睡眠」から得ていると言えるのではないでしょうか。
また最近では,「昼寝」と「作業効率UP」の関係にも注目が集まり,昼寝タイムを導入する企業も出てきています。
その一方で,自覚がない方を含め,「睡眠」の時間・質に何らかの問題を抱えている方も数多くおられます。
最近,よく眠れていますか?昼間に眠くなったりしませんか?
もっと爽やかでエネルギッシュな一日を送りたい皆さん,より効果的な眠り方を見つけてみませんか?
気になる方は,どうぞテーマ展示コーナーへお立ち寄りください。お待ちしています!

またiPadでは,2つのアプリを交互にご紹介しています。
①「Brain Tutor 3D」…3通りのMRI断面図で脳の構造が見られる3D画像アプリ。操作の自由度が高く,脳神経系を勉強中の方必見です。
②「3D Brain」…脳の構造を29枚の画像に分け,各名称と解説を確認しながら学べる3D画像アプリ。360度回転でき,不要な部分は透けて見えるので,位置や構造がイメージしやすくなっています。
テーマ展示コーナーでお試しいただけますので,ぜひ気軽に触ってみてくださいね。

2014年11月4日火曜日

アプリでStudy!「Brain Tutor 3D」

明日からの第31回テーマ展示に先駆けて,展示予定の関連アプリを1つご紹介したいと思います。

ちなみに今回のテーマは「睡眠のメカニズムと病気」ということで,最初は「眠り」に着目してアプリを探したのですが,どうも医学部の学生さんにご紹介できるような専門的アプリが見つからなかったので,睡眠を制御する「脳」の方に着目して探してみました。

そんなわけでご紹介するのが,無料アプリ「Brain Tutor 3D」(開発: Rainer Goebel, Brain Innovation)です。iPhone,iPad,Androidに対応していますが,Androidの方がバージョンが新しく,内容が若干異なるようです。図書館ではiPad版のご案内になりますが,どうぞご了承ください。
また,価格はブログ記事掲載当時のものです。ご購入時に各自で必ずご確認ください。

さて,このアプリですが,脳神経系を勉強する学生さんたちに評判が良いようです。
その魅力は,
①細かく分類されていて,見たい部分だけをピックアップできる!
②頭部MRIの断面図は,アキシャル断面,サジタル断面,コロナル断面の3通りを備え,360度回転できるので好きな角度から見られる。
③さらに,それぞれの断面図は好きなスライスに動かせる!
…といったところでしょうか。
さっそく使ってみました。

TOP画面では「前頭葉」「脳回」「脳溝」「ブロードマンの脳地図」の4つから選択できます。
今回はLobes「前頭葉」を選んでみました。

temporal lobeを選んでみると,基本的な情報が確認できました。
TOP画面に戻る時は, 左下のSelectメニューでこの画面に戻ってから,左上のAreasボタンで戻れます。

Selectメニューの隣のRight Hemi,Left Hemiを選ぶと,右脳・左脳だけを抜き出して見ることができます。両方向矢印で360度回転,十字矢印で脳画像自体を移動できます。



そして,注目は何と言っても右端のHeadメニューでしょう。
先ほどの矢印のほかに,スライスを動かすボタンがついています。これを押してから指を画面上でスライドさせると,ご覧のように好きなスライスで止めることができます。
特に便利なのが,断面図の変更です。右上の画像をクリックすれば,断面図をアキシャル,サジタル,コロナルに切替えできます。もちろん,どの断面図でも回転やスライスの操作は有効です。


項目が細かく,断面図の操作も自由度が高いので,ピンポイントの部位を確認したい方にお勧めです。明日から展示しますので,ぜひお試しくださいね。
それでは,明日からの展示「睡眠のメカニズムと病気」をお楽しみに!