徳島大学医学部臨床教授・美波病院院長 本田壮一先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。
本田先生、ありがとうございます。
湖に星の散るなり 七帝柔道記 3
増田俊也著 角川書店 (2026/03)
それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。
北海道大学で柔道漬けの青春を送った小説家・増田俊也(としなり)の教養小説(Bildungsroman)の第三弾である。高専柔道の流れにある寝技中心の七帝戦は、東京大学など七つの旧帝国大学が競う。副主人公が、増田の2年先輩の和泉唯信教授(徳島大学脳神経内科)。増田は、4年目にて北海道大学を中退(Ⅱ巻)し、札幌の新聞社に就職した。校閲部や整理部に配属され、その描写も力強い。
七帝戦で最下位を脱出した北海道大学柔道部は、優勝へ向け、「打倒京都大学」を合言葉に猛練習に励む。翌年、増田の一学年下の木戸勉が率いる北大柔道部は七帝戦で3位。その翌年、二学年下の西岡精家が率いる北大柔道部は準優勝。そしてついにその3年目、三学年下の吉田寛裕が率いる北大柔道部で悲願の七帝戦優勝を果たす。その後に衝撃的なできごとが起こる。
NHKEテレの「こころの時代〜宗教・人生〜医師にして僧侶 和泉唯信」を観られた方も多いと思う(2025年10月12日放映)。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、全身の筋肉が痩せ衰え、やがて呼吸不全に至る難病。30年間で700人、日本で最も多くのALS患者と向き合ってきた和泉唯信先生は、意思表示も難しくなった患者の家を無償で訪ね、全国各地を奔走してきた。故郷・広島県三次市の寺の住職でもある。やがてすべての人に訪れる死をどう考えるのか。医師にして僧侶である和泉先生は、そこにどんな「生きる意味」を見出してきたのか。この番組で、30年間走り続けたのは、亡くなったY氏のことがあったからと述懐される。 「表面をなでるような手ごたえのない仕事を続けるのでなく、一つでもよいから自分の納得のゆく仕事をしたい」と述べ、ALS治療薬のロゼバラミン(高用量メコバラミン筋注薬)の開発に、根気強く取り組んだ。
タイトルの「湖に星の散るなり」は、北海道大学の恵迪(けいてき)寮寮歌の冒頭(昭和16年)。また、2026年7月には、福岡で第75回全国七大学柔道優勝大会が開催され、北海道大学は第3位となった。優勝は、佐田政隆教授(循環器内科学)が活躍した東京大学と聞いた。
本日(8/31)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。前作【立てる我が部ぞ力あり(七帝柔道記Ⅱ)】,前々作【七帝柔道記】も同じコーナーに展示しておりますので、ぜひ手に取ってご覧ください。
TK






