2016年6月2日木曜日

文献検索講習会 応用編1を行いました

5月30日(月),31日(火)の2日間,文献検索講習会 応用編1を行いました。
計32名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。


応用編1では医中誌Webを中心に,国内文献の探し方について実習を行いました。

医中誌Webにはたくさんの機能が備え付いています。
その代表的なものが「シソーラス」「マッピング機能」「副標目」かと思います。
どれも, あまり馴染みのない言葉ではないでしょうか。
今日は 「シソーラス」について説明してみます。

シソーラスとはキーワードの辞書のことです。医中誌Webではシソーラスに登録されている単語を使って論文のキーワード(シソーラス語,といいます)を登録しています。
例えば,大腸がんについて書かれた論文には「大腸腫瘍」というシソーラス語が登録されています。

こう書くと,別に普通のことのようにも思います。

でも,ちょっと待って下さい。”大腸がんについて書かれた”といっても,いつも「大腸がん」という言葉が論文で使われているとは限りません。
「大腸癌」や「大腸ガン」が使われているかもしれません。

ですから,「大腸がんについて書かれた論文」を探そうと思ったら,様々な同義語を考慮して
「大腸がん or 大腸癌 or 大腸ガン or  大腸腫瘍」
くらいの検索をしないと,検索漏れが多くなってしまう,ということになります。

さらに言うと,医中誌Webでは論文の本文を検索することはできないので,タイトルや抄録に「大腸がん」またはその同義語が使われていない場合,例えば,
 「看護師にもできる!がん患者の生活支援:抗がん薬の副作用」
 という論文に大腸がんのことが書かれていても検索できないということになります。

でも,検索をするたびに同義語のことを考え続けたり,タイトルや抄録にキーワードが使われていないと検索できなかったりするのでは,正直検索になりません。

それを防ぐために、上のどのような単語が使われていても、また,タイトルや抄録に「大腸がん」が入っていなくても,大腸がんに関する論文には「大腸腫瘍」という単語がキーワードとして登録されていて,シソーラス検索で「大腸腫瘍」1つ入れて検索するだけで,すべてヒットするようなしくみになっています。

この仕組みを知っていると知らないとでは,検索結果の理解が全然違ってきます。
そして,検索方法の見直しをすることも,できます。

せっかく時間を割いて来てくださっている皆さんにより深く検索を知って使えるようになってほしい,そう思って講習会では「シソーラス検索」にも取り組んでいます。
少しややこしい部分もあるのですが,皆さん熱心に実習されていました。
お疲れ様でした。

今日からは応用編2が始まります。
PubMed検索の基本的な機能について,実習します。
当日参加も大歓迎です。お待ちしております!