蔵本分館では第65回テーマ展示を1階ホールにて行っています。今回は口腔保健衛生学分野教授 日野出大輔先生に監修いただき,「歯の健康と長寿」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。
歯や口には,物を噛んだり会話を行ったりという大きな役割があります。また,歯や口の健康は全身の健康と快適な生活にも深く関わっており,1989年からは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020(ハチマルニイマル)運動」が推進されるなど,超高齢化社会を迎える現代の日本において,その重要性は近年強く認識されるようになっています。
歯と口の健康において大きな問題となるのが,歯周病です。う蝕(むし歯)は歯そのものが壊されていきますが,歯周病は,歯周病原細菌により歯ぐき(歯肉)だけでなく,歯を支える骨(歯槽骨)やこれらを繋いで支える歯根膜といった歯周組織にまで炎症が波及して破壊し,最終的には歯が抜け落ちてしまう疾患です。
日本人の成人の多くがこの病気に罹患しており,日々の生活習慣がこの病気になる危険性を高めることから,生活習慣病のひとつにも数えられています。具体的には,歯みがきを怠る口の中の清掃不良に加え喫煙などの生活習慣,過度のストレスや体調不良による免疫力の低下など,歯周病を引き起こす因子が重なることで発症の危険性が高くなります。日頃から適切に歯磨きをおこなうことに加え,規則正しい生活習慣も歯と口の健康を守る上で非常に重要であると言えるでしょう。
歯周病,そして歯と口の健康についてこの機会に学び,考えてみませんか?
展示期間は10月31日(水)までとなっています。皆さんのご利用,お待ちしております。また,テーマ展示コーナーではご意見やリクエストを募集しています。今後の展示の参考にさせていただきますので,お立ち寄りの際には是非コメントをお寄せくださいね。
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