2018年9月5日水曜日

My Recommendations No.117「戦慄の記録 インパール」

 今回のMy Recommendationsコーナーには,附属図書館長 吉本勝彦先生(分子薬理学分野教授)より,下記図書をおすすめいただきました。吉本先生,いつもありがとうございます。

『戦慄の記録 インパール』
(NHKスペシャル取材班/岩波書店)

それでは早速,お寄せいただいた書評をご紹介します。

戦慄そのものの記録である。日本軍は、英軍戦力の過小評価のみならず武器補給・食糧調達の軽視のもと、ビルマ(ミャンマー)・インド国境での杜撰で無謀な作戦を敢行したのだ。敵の反撃を受け、最前線では食糧や武器弾薬が尽きてしまい、戦死者よりも餓死者が多くを占めた。最後には「友軍の兵の肉をとりあるき兵隊同士物々交換したりして売りつけていた」など、人間としての理性と思慮を奪い去った。特定のリーダーが周囲の反対にも耳を傾けず、机上の空論で作戦を強要したことで起こった悲劇だ。指揮した司令官や参謀の肉声テープ、元少尉の日誌、超高齢になっている兵士たちの証言、英国で残された記録、現地取材などにより悲惨な戦闘の実態や軍上層部の無策・責任転嫁などが浮きぼりにされている。
NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール 完全版」(2017年12月10日BS1で放送)をDVDで見ることができる。これも一見の価値がある。



 本日より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧くださいね!
※DVDは現在受入手続き中です。

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