依岡先生,ありがとうございました。
『玉ねぎの皮をむきながら』
(ギュンター・グラス著,依岡隆児訳 / 集英社)
書評をお寄せいただいておりますので,早速ご紹介します。
先ごろ亡くなったドイツのノーベル賞作家ギュンター・グラスの2006年に刊行した自伝的小説『玉ねぎの皮をむきながら』(集英社)です。(ちなみに、私が翻訳いたしました。)
戦争末期にナチス武装親衛隊員であったことを告白し、物議を醸した作品です。
自らを恥じつつ、記憶を「玉ねぎ」に見立て慎重に皮をむいていくように語っています。ゆっくり読んでいただきたい。想起はすぐに隠れ家を求める、嘘もつけば美化することもあるとして、自伝的とはいえ「自伝」自体に内省的でもあります。戦争の記憶の継承や歴史認識といった、今またアクチュアルになっているテーマについても深く考えさせられることでしょう。母との死別シーンなど、印象深い箇所も少なくありません。
ギュンター・グラスについては,6月7日(日)の朝日新聞朝刊に依岡先生が書かれた紹介記事が掲載されていましたね。ご覧になって,反骨の作家ギュンター・グラスに興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
ぜひともMy Recommendationsコーナーに展示したいところなのですが…残念なことに『玉ねぎの皮をむきながら』は品切れで入手できなかったのです!
でも大丈夫,この図書は常三島本館で所蔵しています。
(本館3階東閲覧室(人文系)に配架しています。請求記号は,940.278||Grです)
直接本館へ借りに行ってもいいのですが,図書を本館から分館に取寄せて,こちらで貸出することもできます。お申し込みはカウンターで受付していますので,お気軽にお問い合わせください。
みなさんのご利用,お待ちしております!
また,その新聞記事をまだ読んでいないという方にはこちらをご紹介。朝日新聞は聞蔵Ⅱビジュアルからご覧になれます。下記URLからお試しくださいね。
お求めの記事は「ギュンター・グラスの世界」で検索するとヒットします。
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