2015年1月19日月曜日

My Recommendations No.41 「老いの空白」

歯学部分子医化学分野教授,野間隆文先生が下記図書をご推薦くださいました。
野間先生,ありがとうございました。

「老いの空白」 (鷲田清一 / 弘文堂)

書評を書いてくださいましたので,ご紹介します。

現代の日本は、皆さんご存知のように、平均寿命の伸びとともに、超高齢化社会に直面している。
最近、新聞やニュースなどのメディアを通して、介護や福祉の問題だけでなく、「老い」が深刻な問題として取り上げられることをよく聞くところである。
だが、著者は問う。「老い」は本当に「問題」なのか?
「老い」はヒトのライフステージの中で赤ん坊や幼児を育てるのと同様に、世話が必要であろうが、それ自体問題なのではないと言う。問題なのは、「老い」が私たちの社会では「問題」として浮上してこざるをえなくなった、そのことであると言う。

「老い」が社会問題化して来た背景は何か?どのような社会構造の変化が「老い」を介護に直結することになったのか?こういった視点で「老い」の問題を提示している。
ややもすれば、身近な高齢者を表面的に「老い」と介護の側面で見がちなところを、一歩引いて、われわれの社会構造上の変化として振り返ることは、わたくしたち日本人の歴史的・社会的存在の変質に気づかさせるものと言える。

65歳以上の高齢者の占める割合が全人口の21%を越え,日本が超高齢社会に突入したのは2007年のことでした。推計では ,2025年には約30%,2060年には約40%に達すると見られています。

「老いの空白」は蔵本分館1階My Recommendationsコーナーに展示中です。
超高齢社会を生きるみなさんに読んでいただきたい1冊です。






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