2017年5月30日火曜日

My Recommendations No.100「感じる経済学 : コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由」

附属図書館長,吉本勝彦先生(分子薬理学分野教授)より,My Recommendationsコーナーに下記図書をおすすめいただきました。
吉本先生,いつもありがとうございます。
それでは早速,ご紹介します。

『感じる経済学 : コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由』
(加谷珪一 / SBクリエイティブ)

① コンビニコーヒーがうまくいってドーナツがダメな理由
② 牛丼店がちょい飲みに力を入れる理由
③ 一人カラオケの普及は何をもたらした?
④日本のケータイ電話料金は高い?
など、日常生活を題材に「経済を感じるためのコツ」を示した本だ。
経済学は難しい学問だと思われがちだが、実際には私たちの生活と密接に関わっている。どの商品が良いのか、どこのサービスが良いのかなどを自分自身の価値観に基づいて判断すること自体、立派な経済活動である。
本書では、経済学の基礎 — 例えば、「消費(お金で満足感や喜びを得ること)と投資(モノやサービスを生み出すためにお金を投じること)の違い」、「GDPを構成する3要素(GDP=消費 + 投資 + 政府支出)」、「モノの値段は何で決まるのか(物価と貨幣の総量)」などがわかりやすく示されている。同じ製造業の国なのに、日本とドイツの生産性に大きな差が開いた要因の解析も納得させられる。
一読すれば経済ニュースの理解度が深まること間違い無し。

コンビニや携帯料金をめぐる身近な疑問から経済が透けて見えるなんて,ちょっと思いつきませんでした。でも,言われてみればその通りですね。経済活動は毎日の生活から切り離すことのできないものです。
この本は平易な文章で書かれているので,経済学は苦手という方でも面白く読めること請け合いです。ぜひ手に取ってご覧くださいね!

なお,今回吉本先生にご紹介いただいたこの1冊で,My Recommendationsは100冊目を迎えることができました。
これまで書評をお寄せくださったみなさま,本を手に取ってくださったみなさま,本当にありがとうございます。
これからもMy Recommendationsコーナーをどうぞよろしくお願い申し上げます。

 
sm