尾崎先生,ありがとうございました。
それでは早速ご紹介します。
本書は,医師である著者が自身の半生を紐解きながら人生や幸せといったテーマについて真剣に考え,また読者に考えさせる書である。医療ボランティア団体を設立し,海外での医療活動や災害孤児の養育支援などさまざまな取り組みを行ってきた中で経験した不安,孤独あるいは挫折に,著者がどのように立ち向かい乗り越えてきたか,そして後悔のない人生を送るためには何が必要かを語っている。
明確な人生の目的・目標を持って生きている人は,そう多くはいまい。また,今持っている目的・目標が果たして本当に自分が追い求めているものなのかどうかを自問自答している人も少なからずいるだろう。自信を失った時,孤独を感じた時あるいは挫折を経験した時に自分とどう向き合えばよいのか。著者は「人生の目的は,行動するプロセスの中でしか見つからない。目的なんてすぐに見つかるものじゃないから,とりあえず前に進む。良いことも悪いことも全部経験しながら前に進む。そのプロセスで自分が何者か知る,あるいは人としての成長を自覚する。それこそが人生の目的だ」と述べている。
足かせになっている“常識”を踏みつぶす勇気,成長していくための“能動的な孤独”の必要性,“仕事の本質に辿り着くための自助努力”における心構えなど,本書を読み解くことで“自分なりの後悔の無い行動”や“行動力の源”を見出すことができるだろう。「選択」と「決断」を迷わず,信念を持って自分の気持ちに素直に従って行動していくことの重要性を学べる良書である。
1階ロビーに今日から展示していますので,ぜひご覧ください。
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