2024年11月14日木曜日

My Recommendations No.184「「腸と脳」の科学 : 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき」

徳島大学名誉教授 吉本先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

吉本先生、ありがとうございます。


「腸と脳」の科学 : 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき

坪井 貴司 (著) 講談社 (2024/9/19)


それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


ストレスなどが原因で、便秘や下痢、腹痛が慢性化する過敏性腸症候群は、腸と脳との相互作用がもたらす病気の代表例だ。過敏性腸症候群では、視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの影響で腸管の求心性迷走神経が過敏となり、わずかなストレスで便通異常が起こると考えられている。

また、500〜1000種類・約40兆個の細菌からなる腸内常在微生物叢が産生する長鎖脂肪酸を腸内分泌細胞が感受し、その結果分泌された消化管ホルモンであるGLP-1が求心性迷走神経を刺激し、その情報を延髄の孤束核に伝えて食欲が抑制されるのだ。

さらに、認知能力の高さと特定の細菌の多さや腸内常在微生物叢の組成の多様性に相関関係があることや腸内マイクロバイオータの多様性が睡眠の質に重要であることが示唆されているとのことだ。

この他にも人工甘味料が腸内細菌に影響を与え耐糖能異常を惹起するとの知見など、最新の知見がわかりやすく解説され、興味がかき立てられる。



本日(11/14)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。

                                                                                        YB

2024年11月1日金曜日

My Recommendations No.183「教養としての上級語彙2 : 日本語を豊かにするための270語」

徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生、ありがとうございます。

「教養としての上級語彙2 : 日本語を豊かにするための270語」 宮崎 哲弥 (著) 新潮社 (2024/8/21)

それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


漢字の読み間違いは、麻生元総理や安倍元総理に限らず誰でも起こしてしまう。

安住アナウンサーも「慧眼(けいがん)」を「すいがん」と読むと思い込んでいたため放送中に間違ってしまったという。

戦後に読み仮名を無くす方向に新聞や出版界が進み、この対応が語彙の貧困化を惹起したことが、この読み間違いの原因の一つだ。戦前は読み仮名が通常化していたため、子どもも大人の本を読め、豊かな語彙力を養えたのだ。一般的に、幼い頃から読書習慣が身についている者はボキャブラリーが豊富だそうだ。

本書は、頻繁には使用されないが日常語の範疇に属する「上級語彙」の意味を説明するのみならず、その用例や間違い易い理由が示されており理解しやすい。さらに、どこから読んでも知的好奇心を満たしてくれるとともに、自分の勘違いを気づかせてくれる。



  本日(11/1)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。

                                                                                        YB

第101回テーマ展示「神経疾患とその周辺領域」展示のお知らせ[蔵本分館]

蔵本分館では第101回テーマ展示を1階ホールにて行っています。

今回は、臨床神経科学分野教授 和泉唯信先生に監修いただき、「神経疾患とその周辺領域」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。和泉先生からいただいたコメントをご紹介します。 

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皆さんは脳神経内科をご存じですか?

脳外科の内科版や精神神経科の一部と誤解されることも少なくありませんが違います。

脳、脊髄、末梢神経、筋肉いずれかの部位の障害で生じる疾患に幅広く対応する診療科です。病気としてはコモン・ディジーズの脳卒中、認知症、てんかん、頭痛に加えて、比較的患者数の少ない難病が対象になります。現在、脳神経内科領域の指定難病数は多く、一部を挙げるとパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、重症筋無力症、筋ジストロフィー、クロイツフェルト・ヤコブ病があります。

これら脳神経疾患と格闘される患者さんと家族の物語があり、難病がありながらも一生懸命社会活動をされている人も少なくありません。

またコモン・ディジーズ、難病とも、近年治療法開発が著しいのも脳神経内科の最近の特徴です。

今回は「難しい」「わかりにくい」とされる脳神経疾患を理解しやすい本とともに患者さんの物語や治療法開発に関係するものも展示いたしました。

パーキンソン病を患った元ボクシングヘビー級世界王者モハメド・アリの言葉に

The man who has no imagination has no wings.「想像力のない者に、翼は持てない」というものがあります。

是非、書籍を手にとっていただき、患者さんの物語、治療法を模索する医療人の物語に想像力を広げてみてください。

思いがけない翼を手にするかもしれません。

皆さんが脳神経内科に興味を持ってくださることを期待しています。

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テーマ展示のiPadでは、「日本神経学会」、「日本脳卒中学会」、「日本認知症学会」、「日本てんかん学会」、「日本頭痛学会」のホームページを紹介しています。

 


展示期間は202519日(木)までとなっています。皆さんのご利用、お待ちしております。

また、テーマ展示コーナーではご意見やリクエストを募集しています。今後の展示の参考にさせていただきますので、お立ち寄りの際には是非コメントをお寄せください。

今まで行ったテーマ展示の一覧は

https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/index.html

から見ることができます。

ぜひチェックしてみてください!

2024年10月30日水曜日

1階ラーニング・コモンズに新しい椅子とモニターを設置!

学生後援会からご支援いただき、蔵本分館1階ラーニング・コモンズの椅子がいくつか新しくなり、モニターも新しく設置しました!モニターは、ラーニング・コモンズの中であれば自由に使用できます。図書館に来た時にはぜひ覗いてみてくださいね。





                                                                                        YB

2024年10月17日木曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)10月

本日、10月17日(木)は、徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

ようやく汗をかかずに外を歩けるくらいの気温となってきました。



いずみ号は外側だけでなく、中も本がぎっしりです。




「リサイクル本」もあります。市立図書館で役目を終えた本たちです。




最大20冊まで借りることができます。返却期限は、次回のいずみ号の巡回日までです。


次回は 令和6年11月18日(月)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非、ご利用ください。
                              Y.B.

2024年10月8日火曜日

My Recommendations No.182「介護格差」

徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生、ありがとうございます。

「介護格差」  結城 康博 (著)  岩波書店 (2024/8/22)

それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


1990年代までの在宅介護は主に主婦層で担われ、在宅で看られなければ老人病院などへの入院により介護施設機能の代用が行われていた。その後、高齢者人口の増加や介護ニーズの増大に伴い、家族の負担を軽減し「介護を社会全体で支える」目的で、2000年4月より介護保険制度がスタートした。現在では、介護総費用は当初の約4倍に膨らみ、制度をどう維持するのかが大きな課題となっている。

安心して介護生活を送れるか否かは情報次第とのことだ。例えば、日頃から家族を含めた介護保険制度の仕組みの学習が必要だ。また厚労省による「介護サービス情報制度」の閲覧や住居者や職員の雰囲気確認を含めた見学による介護施設の情報入手が欠かせない。それに加えて、間違わない介護施設の選び方(外部との交流、介護職員の離職率、人員配置)も示されている。

70歳を過ぎると、介護生活は突然やってくる。介護準備を始める上で、介護サービス提供の現状や課題を教えてくれる本書はお勧めだ。


  本日(10/8)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。

                                                                                        YB

2024年9月12日木曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)9月

本日、9月12日(木)は、徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

日陰なら、外でも汗をかかずに立っていられるほどの気温でした。



いずみ号の到着後、すぐに利用者さんが集まってきました。



今月の特集は「徳島ゆかりの本」でした。


「リサイクル本」もあります。市立図書館で役目を終えた本たちです。


最大20冊まで借りることができます。返却期限は、次回のいずみ号の巡回日までです。

次回は 令和6年10月17日(木)14:30 長井記念ホール前到着予定です。

是非、ご利用ください。



                              Y.B.






2024年9月11日水曜日

My Recommendations No.181「眠っている間に体の中で何が起こっているのか」

 徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生、ありがとうございます。

「眠っている間に体の中で何が起こっているのか」 西多 昌規 (著)  草思社 (2024/2/2)

それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


睡眠中に便意が生じないのはどうしてだろうか。本書においては、脳のみならず様々な臓器における「睡眠中の活動」や「睡眠不足による影響」がわかりやすく解説されている。

小腸のぜん動運動は睡眠時も覚醒時と変わらないが、睡眠時の大腸には腸神経系が作用し、あまり動かないためだ。

睡眠中に交感神経の活動が低下する一方、副交感神経が活発になることは周知の事実だが、レム睡眠中の交感神経活動が覚醒時以上に活性化しているとは驚きだ。またレム睡眠中に夢を見るというのが有名だが、ノンレム睡眠時でも夢をかなり見ていることがわかった。しかしながら、鮮明でストーリー性のある夢はレム睡眠で見られるが、ノンレム睡眠時には淡く短い夢が多く覚醒後に思い出しにくいという。

本書は、睡眠中の人体の神秘を教えてくれるとともに、断片的な情報を体系的な知識として整理させてくれる。




  本日(9/11)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。 

                                                                                        YB

2024年9月6日金曜日

My Recommendations No.180「七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり」

 徳島大学医学部臨床教授・美波病院院長 本田 壮一 先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 本田先生、ありがとうございます。

「七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり」 増田 俊也  (著)  角川書店 (2024/3/18)

それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


嘉納治五郎(1860~1938)が始めた「精力善用・自他共栄」を理念とする講道館柔道は、オリンピックや西医体・全医体などの競技となっている。 かつての第49回全医体(2015年)にて、徳島大学柔道部はサッカー部とともに優勝した(蜂須賀桜の記念樹が体育館の南側に並んでいる)。

一方、北大・東北大・東大・名大・京大・阪大・九大の7校(旧帝大)で15人対15人の寝技が中心の「七帝柔道」団体戦が年一回戦われる。 井上靖が小説「北の海」で描いた「練習量がすべてを決定する」高専柔道の流れを引き継いでいる。

北海道大学に入学し柔道部に入部した著者(増田俊也)の自伝的小説が「七帝柔道記」(2013年)だが、その続巻として24年に刊行された。 「立てる我が部ぞ力あり」は北大柔道部東征歌の最後の一節で、勝利した時に歌うという。 前巻では、佐田政隆教授(循環器内科、当時は東京大学医学部6年)や和泉唯信教授(脳神経内科、当時は北海道大学の主将)が活躍し、北大が阪大に敗れ、和泉主将の「思いはのう、生き物なんで。思いがあるかぎり必ずつながっていくんじゃ。」 という言葉が印象的であった。

第二巻では、さらに極限の練習が繰り広げられる。 スポーツには外傷がつきものだが、増田も手術を受け、リハビリテーションに励む。 そして、かつて「札幌には観光旅行に来た」と侮蔑された東北大学に代表戦三度を引き分け、抽せんで勝利した。 その間も、北大卒業後に徳島大学医学科へ再入学した和泉前主将のアドバイスがあったという。

巻末の北大を4年で中退する増田を温かく見守る学務係の職員に好感を持った。 長編小説だが、第二巻も手に汗を握る熱い物語であった。 その後、佐田・和泉両先生は、徳島大学の臨床分野を主催。 真摯に動脈硬化や神経難病に取り組まれている。 私は、直接、東大や北大の柔道部の頃の思い出をお話しいただくことがある。

80周年を越えた母校・徳島大学医学部に、学問とともに柔道などスポーツでの活躍も期待している。 いつも変わらぬ熱い大学生の姿がこの書にある。 是非、ご一読を。

注:2024年7月6・7日に。 愛知県武道館で開催された第73回全国七大学柔道優勝大会では、北海道大学が優勝したという(⇒https://nanadaijudo73.wixsite.com/website)。




  本日(9/6)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。    


                                                                                        YB

2024年8月29日木曜日

テーマ展示、監修の先生にお越しいただきました(第100回「生活習慣病」)

蔵本分館にてただいま開催中の第100回テーマ展示「生活習慣病」。

監修の吉本勝彦先生にお越しいただきました。

   吉本先生、お忙しい中ありがとうございました。



 展示期間は10月31日(木)までです。

 関連書籍のほか、展示コーナーに設置したiPadでは、テーマにちなんだアプリをご紹介しています。

蔵本分館へご来館の際にはどうぞお立ち寄りくださいね!

                                    Y.B.

2024年8月16日金曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)8月

本日、8月16日(金)は、徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

連日暑い日が続き、外に出るための暑さ対策が欠かせません。


そんな中でも、いずみ号が到着すると、すぐ利用者さんが集まってきました。

暑さに負けず、皆さん真剣に本を選んでいました。



今月のテーマも、引き続き「夏休み 読書感想文におすすめの本」でした。


次回は 令和6年9月12日(木)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非、ご利用ください。
                              Y.B.

2024年7月26日金曜日

第100回テーマ展示「生活習慣病」展示のお知らせ[蔵本分館]

蔵本分館では第100回テーマ展示を1階ホールにて行っています。

今回は、徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生に監修いただき、「生活習慣病」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。吉本先生からいただいたコメントをご紹介します。 

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「生活習慣病」は、食事、運動、喫煙、飲酒、休養、睡眠などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。

4060歳くらいの働き盛りに多い疾患で、発症に生活習慣が深く関与している「成人病」という概念を、故日野原重明先生の提唱により1996年から「生活習慣病」と呼び変えることになった歴史があります。

生活習慣と関連する疾患としては、高血圧・糖尿病・脂質異常症・心筋梗塞・狭心症・高尿酸血症・アルコール性肝疾患や非アルコール性脂肪肝・肺気腫・一部のがん・歯周病などがあります。

20241月に公表された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 」においては、成人は160分(約8000歩)以上、高齢者は140分(約6000歩)以上のウォーキングや、成人・高齢者ともにスクワットなどの筋トレを週23回行うことを推奨しています。

また、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(20242月)では、飲酒量は純アルコール量(グラム)で把握すること、そして飲酒量が少ないほど飲酒によるリスクは減少すること、さらに高血圧、女性の脳出血、男性の胃がんは少しでも飲酒すると発症リスクが上がることが示されていますので、過度な飲酒は避けるべきです。

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皆さんも、この機会に「生活習慣病」について学んでみませんか?

 
また、展示コーナーに設置したiPadでは、テーマにちなんだアプリをご紹介しています。こちらもどうぞご覧ください。

○テクとく

「テクとく」は、徳島県が県民の健康づくりへの意識向上を図るために運用している、健康サポートアプリです。

日常のウォーキングや健診、健康関連イベントなどへ参加することで楽しみながら健康ポイントをゲットすることができ、ポイントが貯まると特典が受けられます。



展示期間は1031日(木)までとなっています。皆さんのご利用、お待ちしております。

また、テーマ展示コーナーではご意見やリクエストを募集しています。今後の展示の参考にさせていただきますので、お立ち寄りの際には是非コメントをお寄せください。

今まで行ったテーマ展示の一覧は

https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/index.html

から見ることができます。

ぜひチェックしてみてください!

 

2024年7月11日木曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)7月

本日 7月11日(木)は 徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

厳しい暑さが続いている中、いずみ号が到着しました。

今回も、到着後まもなく利用者さんたちが集まってきました。


今月のテーマは「夏休み 読書感想文におすすめの本」でした。


最大20冊まで借りることができます。返却期限は 次回のいずみ号の巡回日まで です。


なお、徳島市立図書館との連携事業で 本日から7月17日(水)まで リユースお宝市も開催されています。

はこらいふ図書館の古本が無料でもらえます。

図書館の蔵本分館で実施されておりますので、興味がある方はぜひお立ちよりください。

次回のいずみ号の巡回は 令和6年8月16日(金)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非、ご利用ください。
                              Y.B.



2024年7月9日火曜日

My Recommendations No.179「東洋医学はなぜ効くのか : ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム」

 徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生、ありがとうございます。

「東洋医学はなぜ効くのか : ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム」
山本 高穂 (著)、大野 智 (著)    講談社 (2024/5/16)

それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。

鍼灸や漢方薬はなぜ効くのだろうか。漢方薬については薬理学での講義歴があり、クリニックにおいても数種だが処方している。しかし、鍼灸について学んだ医療従事者は僅かだろう。私自身も抜歯時に手に鍼治療を行うと痛みが軽減されると45年前の講義で聞いた覚えしかない。

近年、鍼灸効果の作用機序の一部が西洋医学の手法で解明されている。鍼灸の刺激が神経ネットワークを通じて、ドパミンなどの神経伝達物質や自然免疫を担う免疫細胞を巻き込んで多様な作用を及ぼしている機構が明らかになり、鍼灸により慢性疼痛の治療のみならず、経皮的耳介迷走神経刺激による関節リウマチなどの自己免疫疾患を治療する試みが米国で始まっているのだ。また361種のツボのうち、足三里というツボには「足三里―迷走神経―副腎髄質」を介して抗炎症作用をもたらす特定の感覚神経が存在することがNature誌(2021)で公表された。漢方薬においては代表的な19種を取り上げ、それらの作用機序を分かりやすく示している。



  本日(7/9)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。    

                                                                                        YB


2024年6月13日木曜日

今月のいずみ号 (2024年)6月

本日、6月13日(木)は、徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃となりました。蒸し暑くなり、立っているだけで汗が噴き出てきます。


そんな中でも、いずみ号が到着する前から何人も待っている方がいらっしゃいます。
到着と同時に、さらにたくさんの方が集まってきました。


「おりがみに挑戦!」と「『今』の本」のコーナーがありました。
こどもが楽しめそうな本がたくさんあります。



20冊まで借りることができます。返却期限は、次回のいずみ号の巡回日までです。


次回は 令和6年7月11日(木)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非、ご利用ください。
                              Y.B.

2024年5月29日水曜日

第99回テーマ展示「電子書籍・電子ジャーナル2024」展示のお知らせ[蔵本分館]

蔵本分館では第99回テーマ展示を1階ホールにて行っています。今回のテーマ展示では、電子書籍・電子ジャーナルについてご紹介しています。

図書館では、インターネットを使って閲覧できる「電子書籍」や「電子ジャーナル」も取り揃えています。

電子資料ですと、図書館の開館時間も気にせず、24時間いつでも読めます。返却期限までに図書館へ行けなくて、つい「延滞」なんてこともありません。

同時にアクセスできる数の制限はありますが、利用上の注意を踏まえて活用すれば、学習や研究に便利です。

 

展示物のQRコードから電子資料にアクセスできますので、お手持ちのタブレットやスマートフォンなどでご覧ください。

利用は、学内ネットワーク(学内設置のパソコンや大学のWi-Fiに接続したタブレットなど)からのみですが、事前に手続きをすることで学外からも利用できます。

学外からの利用方法については、こちら(https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/guide/resource.html#use)をご覧ください。

 


展示期間は725日(木)までとなっています。この機会にぜひ電子書籍・電子ジャーナルをお試しください!

また、テーマ展示コーナーではご意見やリクエストを募集しています。今後の展示の参考にさせていただきますので、お立ち寄りの際には是非コメントをお寄せください。

 

 

今まで行ったテーマ展示の一覧は

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/

から見ることができます。

 

ぜひチェックしてみてください!

                                       YB

2024年5月28日火曜日

My Recommendations No.178「ウイルスはそこにいる」

 徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より,My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生,ありがとうございます。

「ウイルスはそこにいる」 宮坂 昌之  (著), 定岡 知彦  (著)  講談社 (2024/4/18)

それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。

モデルナ社やファイザー社は新型コロナウイルスワクチンの生産能力を呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンに振り分ける予定という。麻疹、風疹ワクチンの効果は50年以上持続するが、インフルエンザや新型コロナウイルスワクチンは4カ月程度である。この差の理由は不明で、病原体特有の長期免疫をもたらす因子の存在が予想されている。

私は定年退職間際に帯状疱疹を三叉神経第1枝領域に発症した。水痘を発症する水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が神経節に潜伏感染し、VZV 特異的T細胞やNK細胞の働きが低下すると帯状疱疹が発症する。なぜ神経節に入り込んだウイルスが何十年も棲みつくのかは不明の点が多い。

本書において、第4章「ウイルスがからだに潜り込むカラクリ」、第5章「厄介な潜伏ウイルス」が面白い。さらに、話題のウイルス疾患に絞って解説しているため、非常に読みやすい。



  本日(5/28)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。    


                                                                                        YB

2024年5月17日金曜日

今月のいずみ号 (2024年)5月

 

本日,5月17日(金)は,徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。


寒からず暑からずの好季節となりました。植え込みの陰に隠れた虫たちも,だんだんと元気が出てきたように感じます。

今月もいずみ号の到着を,皆さん楽しみにされていたようでした。


本を選ぶ時の皆さんの真剣な表情が印象的でした。

5月の特集は,「鳥の本」でした。


予約図書の受取もできます。

次回は 令和6年6月13日(木)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非,ご利用ください。
                              Y.B.

2024年5月16日木曜日

「徳島の高校・大学生が選ぶ これだけは読んでほしい31冊」ブックリストの本を展示中です!

 1階ホールにて、「徳島の高校・大学生が選ぶ これだけは読んでほしい31冊」ブックリストで紹介されている本を展示しています。

このブックリストは、徳島県の「ひろがる読書推進事業」にて実施している企画「街角ライブラリー」に参加する高校生や大学生が、「これだけは読んでほしい!」とおススメする本を紹介するものです。

「街角ライブラリー」は、総合科学部の依岡隆児教授(附属図書館副館長)が主催されていることからブックリストをご提供いただきました。

色んなジャンルの本がたくさん紹介されていますので、ブックリストをぜひ手にとってみてくださいね。展示している図書は、貸出もできます。

(KY)





2024年4月19日金曜日

今月のいずみ号(2024年4月)

 

昨日,4月18日(木)は,徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日でした。

春の暖かさが感じられ,上着を羽織って外を歩くと少し暑く感じます。


いずみ号が到着してすぐに,利用者さんたちが集まってきました。
皆さん楽しそうに読む本を選んでいるようです。

いずみ号の中にも想像以上にたくさんの本があり,圧倒されました。


4月の特集は,「うた~♪」でした。
こどもと一緒に読んで楽しめそうな本もたくさんありました。



「リサイクル本」もあります。 返却しなくてもよい本です。


次回は 令和6年5月17日(金)14:30 長井記念ホール前到着予定です。
是非,ご利用ください。
                              Y.B.

2024年4月1日月曜日

処分対象の雑誌について(ご自由にお持ち帰りください!)

蔵本分館2階ブラウジングコーナーの雑誌で,保存期限が過ぎ処分対象となったものを,今年も1階リフレッシュコーナーに置いています。

どうぞご自由にお持ち帰りください。



なお,ここに置いてある雑誌以外に,処分対象の新聞もあります。

多用途に使えて便利な古新聞。ご入用でしたら,お気軽に職員までお声がけください。 


                                                                                                                     mt

2024年3月21日木曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)3月

 3月19日(火)は,徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日でした。

暖冬といわれながら,昨日より今日と冷え込む寒の戻りです。


今月のテーマは,「てづくりを楽しもう!ハンドメイド特集」

「リサイクル本」もあります。 返却しなくてもよい本です。

返却期限は,次回のいずみ号の巡回日までです。

次回は 令和6年3月18日(木)14:30 長井記念ホール前到着予定です。

是非,ご利用ください。

                              K..
                                   

2024年3月8日金曜日

第98回テーマ展示「レポート・論文執筆応援」展示のお知らせ[蔵本分館]

蔵本分館では第98回テーマ展示を1階ホールにて行っています。今回のテーマ展示では,「レポート・論文執筆応援」に関する本を紹介します。

初めてレポート・論文を書く人,今更「書き方」なんて聞けないという人も是非,図書館に頼ってください。レポートや論文は、形式に則った学術的文章です。

学びの中で体得した学問的な思考や方法を,表現するための手法を身につけましょう。

さらに展示のiPadでは、論文執筆に必要な参考文献の収集・管理ソフト「Mendeley機関版」を紹介しています。                                   

展示期間は528日(火)までとなっています。 

また,テーマ展示コーナーではご意見やリクエストを募集しています。今後の展示の参考にさせていただきますので,お立ち寄りの際には是非コメントをお寄せください。

今まで行ったテーマ展示の一覧は

https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/index.html

から見ることができます。

ぜひチェックしてみてください!                                           

                                                                                                           KO

2024年3月7日木曜日

My Recommendations No.177「感染症の歴史学」

 徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より,My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生,ありがとうございます。

「感染症の歴史学」         飯島 渉 ()  岩波書店 (2024/1/23) 

それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。

感染症は人類史の中で最も大きな死因だったが、20世紀後半になるとワクチン開発や抗生物質の発見により感染症の抑圧に成功した。学生時代に講義の中で感染症はもはや脅威で無くなったと聞いたが、これは誤りだった。エイズなどの新興感染症が次々と登場したのだ。

本書では多くの人々の生命を奪い、暮らしに大きな影響を及ぼした新型コロナ、天然痘(ウイルス)、ペスト(細菌)、マラリア(原虫)を取り上げている。

我が国における種痘(牛痘)に先駆けての人痘の試行、1894年以後のペストの小規模発生、第二次世界大戦前の三日熱マラリアの全国至る所での流行はあまり知られていない。

厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議の提言(2010年)は新型コロナ対策にほとんど活用されなかったとのこと。次の新興感染症に対しては新型コロナへの教訓を必ず生かす必要がある。

  本日(3/7)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。    

                                                                                        KO

 

2024年2月21日水曜日

My Recommendations No.176「「がん」はどうやって治すのか―科学に基づく「最良の治療」を知る」

徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より,My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

 吉本先生,ありがとうございます。

「「がん」はどうやって治すのか科学に基づく「最良の治療」を知る」

                 国立がん研究センター (編集)  講談社 (2023/12/14)

それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。

「がん」のネット検索で信頼できるサイトは約10%だそうで、正しい情報を見抜くことが必要だ。この点で、本書はがん治療について、わかりやすくまとめており参考になる。

また、誤解されているのが「標準治療」という言葉。「標準治療」とは、並の治療という意味でなく、現在利用できる最良の治療のことで、健康保険が適用できる。「先進医療」が最高の治療と捉えられがちだが、開発途上の治療法という認識が必要だ。

30数年前に国立がんセンター研究所(当時の名称)で、がん遺伝子・がん抑制遺伝子研究の黎明期を過ごしたが、現在ではコンパニオン診断(がん細胞の特定の遺伝子変異やタンパク質発現の有無を検査)やがん遺伝子パネル検査が欠かせない検査となっていることに感慨を覚える。

本日(/21)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。                                                                                                                                                               KO

2024年2月19日月曜日

今月のいずみ号 令和6年(2024年)2月

 本日,2月19日(月)は,徳島市立図書館の移動図書館「いずみ号」の巡回日です。

暖かい曇り空の中,とうとう雨が降ってきました。

いずみ号の中には,本がぎっしり! およそ3,000冊が乗っています。

返却期限は,次回のいずみ号の巡回日までです。
 

次回は 令和6年3月19日(火)14:30 長井記念ホール前到着予定です。

是非,ご利用ください。

                             K..