2017年8月1日火曜日

第57回テーマ展示「身体診察」

蔵本分館では第57回テーマ展示を1階ホールにて行っています。
今回は医療教育開発センター長,赤池雅史教授に監修いただき,「身体診察」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。

「毎日患者を観察していれば,病歴と身体診察によって,現代のテクノロジーだけに依存するよりも数時間や数日,時には数週間も速く正しい診断にたどりつくことができるのだ.さらにある種の診断(中略)には,病歴と身体診察の代わりになるテクノロジーはない.」
『サパイラ 身体診察のアートとサイエンス』(医学書院)初版の序にはこのように記されています。
古来より,医師の技術として受け継がれてきた身体診察ですが,近年,医療の現場でも科学技術が目覚ましいし進展を見せる一方で,その重要性が顧みられる機会は少なかったように思われます。
しかし最近,身体診察に関する本が多く出版されるようになり,各地で勉強会やセミナーが開催されるなど,身体診察への関心は高まっていると感じます。

医療機器・医療検査技術はこの数十年で急速に発展・普及しました。設備の整った環境では,CTやMRIが簡単に撮れてしまうのが現状ですが,常に便利な検査機器が使える環境にあるとは限りませんし,この先どれほど進化を遂げたとしても,検査は診察に取って代わるものではありません。

時代が変わっても,医療の根底には,患者さんから話を聞き,触れ,打診して,音を聴くといった,生きたコミュニケーションがあるのではないでしょうか。

医師と患者のコミュニケーションの基本とも言うべき身体診察は一方で,医療を行う目的のもと,患者さんのプライベートな部分に踏み込むという,非常にデリケートな側面も持っています。
医療を志す皆さんにとって,身体診察について深く考える機会を持つことは,きっと意味あることと思います。
 
今回のテーマ展示「身体診察」は学生さんから寄せられたリクエストテーマの1つです。
これからもみなさんのニーズに応じた企画を実施すべく,リクエストテーマを募集しています。同コーナーに設置したご意見箱に,ぜひみなさんの声をお寄せくださいね。

「身体診察」,展示期間は夏季休業を考慮して少し長めの9月25日(月)までとなっています。身体診察は本や論文を読むだけで身につくものではありませんが,技術を身につけるヒントは見つかるかもしれません。期間中,ぜひ蔵本分館1階ホール,テーマ展示コーナーにお立ち寄りください。
みなさんのご利用,お待ちしております!

ちなみに,今まで行ったテーマ展示の一覧は
http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/
から見ることができます。
こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

展示の様子です
赤池先生からの一言コメントも
sm