『怪談に学ぶ脳神経内科』 (駒ヶ嶺 朋子/ 中外医学社)
それでは早速,お寄せいただいた書評をご紹介します。
金縛りにあったことはあるだろうか?小泉八雲が自ら経験した恐怖体験が示されている。真夜中に「声を出せない」、「体を動かすことができない」という恐怖心や幻視(実際に存在しないものが見える)・幻聴(実際に存在しない音が聞こえる)があり、もがきあがいているうちに目が覚めたというものだ。
金縛りは心霊現象ではなく、入眠時レム睡眠(レム睡眠中は筋肉を動かせない)による睡眠麻痺と幻覚(レム睡眠時の夢に最も近い)を伴う状態と説明できる。これは健常者において稀な現象ではなく、最大で2人に1人が経験したという報告もあるそうだ。
そのほか、ザシキワラシとLevy小体病(Parkinson病、Levy小体型認知症など)との関連など、計10種の怪談を脳神経内科的に解析している。学生には少し難しいかもしれないが、脳神経内科臨床のトレーニングには好材料の書籍と言える。
本日(7/3)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しています。ぜひ手に取ってご覧ください。 KH