徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より,My Recommendationsコーナーに下記図書をおすすめいただきました。
吉本先生,いつもありがとうございます。
『ぼくとがんの7年』(松永正訓/医学書院)
それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。
20年間膀胱がんを患っている知人はあっけらかんと「がん」の状況を話題にする。しかし、心の内では「がん」への悩み、苦しみを有しているはずだ。本書は「発達障害に生まれて」や「運命の子
トリソミー」の著者である松永正訓医師が、膀胱がんに対峙してきた生々しい闘病記である。
小児がんに取り組んできた医者であっても当事者になると理性的な判断が下せないことを実感するとともに、患者の精神的ケアをしてくれる医療者が病院に不在であることを感じたという。また、スピリチュアルペインに苦しんでいる患者には傾聴が必要だが、医療者が行う傾聴とは単に聞くだけではなく患者・家族から言葉を引き出すべきだという。
本書は、まさにがん患者である医師の心中をさらけ出したものであり、特に医療関係者にオススメする。
本日(3/1)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。 KH