2018年8月10日金曜日

My Recommendations No.115「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」

 今回のMy Recommendationsコーナーには,附属図書館長 吉本勝彦先生(分子薬理学分野教授)より,下記図書をおすすめいただきました。吉本先生,いつもありがとうございます。

『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(河合香織/文藝春秋)

それでは早速,お寄せいただいた書評をご紹介します。

想像してみてください。子どもを授かった時、出生前診断を受けるのか受けないのか、検査で陽性と判明した時どのように対応するのか?
主人公は出生前診断を受け、医師から誤って「異常なし」と伝えられた。生まれてきた子はダウン症で、重篤な合併症のため生後3ヵ月半で短い命を絶った。
夫婦は医師の過失がなければ障がいを伴う子ども自身の出生は回避できたはずと主張し訴訟を起こした。本書では裁判の過程における母親の感情の揺らぎを中心に描いている。無侵襲的出生前遺伝学的検査・羊水検査の最近の結果では陽性のうち94%が中絶を選択しているという。「中絶か出産するかを選択するには正解はない。夫婦が選んだ方法が正しい。」ある産婦人科医の意見だ。女性のみならず男性もぜひ読んで欲しい。



 本日より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧くださいね!皆さんのご利用,お待ちしております。