2018年2月14日水曜日

アプリでStudy!(「eGFR計算機」,「小児CKD-eGFR計算」と「腎臓病用かんたん食事管理アプリ 腎録」)

今週木曜日,2月15日から第61回テーマ展示「腎臓病」が始まります。
今日は一足早く,展示予定のアプリを紹介しますね。

まず最初にご紹介するのは,「eGFR計算機」です。
(iPhone,iPad,および iPod touchに対応した無料アプリです。価格は記事掲載当時のものですので,購入時に必ず各自でご確認ください)

慢性腎臓病(CKD)は,重症度に応じてステージ1からステージ5の5段階に分けられていますが,その指標の一つとなるのがとなるのがeGFR(推算糸球体濾過量)です。
このアプリは,血清クレアチニン値(sCre)を入力すると,eGFRが計算でき,それに応じたステージが表示されるというものです。
アプリに用いられる計算式は2008年に日本腎臓学会が示したもので,東京大学医学部有志からなるグループがプログラムを作成,同大附属病院腎臓内分泌内科の監修による,
各ステージごとに気をつけるべきポイントをまとめたアドバイスがついています。
血清クレアチニン値は健康診断で測定することもあるので,健診結果から自分の腎臓の状態を把握することもできます。正確な診断に代わるものではありませんが,ある程度の目安になりますよね。
気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。

詳細情報をクリックすると
アドバイスが表示されます

次にご紹介するのは「小児CKD-eGFR計算」です。
(iPhone,iPad,および iPod touchと,Androidに対応した無料アプリです。価格は記事掲載当時のものですので,購入時に必ず各自でご確認ください)

小児の慢性腎臓病は,先天的な原因によるものが多いと言われています。症状を悪化させないために早期発見が何より重要ですが,そのための手がかりとなる腎機能の評価が難しいという点が課題でした。
日本小児腎臓病学会の小児CKD対策委員会は,5年以上にわたる調査により,日本人小児の血清クレアチニン基準値,血清シスタチンC基準値,血清β2ミクログロブリン基準値を示し,それに基づくGFR推定式を作成しました。
これにより,生後3か月から15歳までの子どものGFRの科学的な推定が可能となり,CKDのステージ判定もできるようになりました。
その成果はすでに複数のガイドラインにも採用されていますが,専門医だけでなく,すべての小児科医がこの式を利用できるようにアプリとしたものが「小児CKD-eGFR計算」です。
広く活用されるように作られたアプリなので,使い方もとてもシンプルです。まずは一度,試しに触ってみてくださいね。

ちょっと見にくいですがGFR基準値です
値を入力するとステージ判定されます

最後にご紹介するのは「腎臓病用かんたん食事管理アプリ 腎録」です。
(iPadに対応した無料アプリです。価格は記事掲載当時のものですので,購入時に必ず各自でご確認ください)

腎録」は食事療法が最も難しいと言われる腎臓病患者さんのための食事管理と,生活記録の2つの機能がセットになった生活サポートアプリです。
腎臓病患者さんの食事は,必要なカロリーは確保しつつ,塩分を控え,タンパク質を摂り過ぎないように注意し,カリウムやリンの摂取を制限したり,水分のコントロールが必要な場合があります。
しかも,合併している病気の状態や性別,年齢,身体活動レベルといった要素によって内容が大きく変わるので,主治医や管理栄養士の指導が必須であり,日常生活で実践するのもとても難しそうです。
腎録」には食品成分表がついているので,1日の食事でタンパク質をどれくらい摂取したか,制限値を超えなかったか,などが大まかに把握できます。
また,トイレ回数,血圧,体重も記録できるので,病状の変化にも気づきやすくなり,適切な診察やアドバイスが受けられ,透析を遠ざける手助けになってくれるのではないでしょうか。
文字が見やすく,操作も簡単で使いやすいと思います。もしよければ展示期間中,試してみてくださいね。

食事の写真を撮影して記録することもできます
食品成分表にはたんぱく質,カリウムなどが

これらのアプリは期間中,日替わりで展示されますが,その日のアプリとは別に気になるアプリがあれば,切り替えることもできます。お気軽に職員にお問い合わせくださいね。
皆さんのご利用,お待ちしております!
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