2018年2月15日木曜日

第61回テーマ展示「腎臓病」

蔵本分館では本日より,第61回テーマ展示を1階ホールにて行っています。
今回は大学病院腎臓内科講師,長井幸二郎先生に監修いただき,「腎臓病」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。

腎臓病とは,腎臓の糸球体や尿細管が冒されることにより腎臓の機能が低下する病気です。大まかに,腎臓それ自体に異常が起こる原発性もしくは糖尿病など腎臓以外の疾患が原因となって起こる続発性,また,病気の発生と進展の速さによって急性と慢性に分けられます。

特に慢性のものについてはCKD(Chronic Kidney Disease)と呼ばれていますが,この慢性腎臓病(CKD)は多くは無症状で発症し,2012年には患者数が成人の8人に1人にあたる約1330万人にまで増加するなど,近年では新たな国民病とも呼ばれています。原因は様々であり,糖尿病や高血圧,メタボリックシンドロームといった生活習慣病との関連も深いため,誰しもがかかり得る病気と言えるでしょう。

慢性腎臓病(CKD)により,脳卒中や心筋梗塞などの心血管病発症のリスクが高まります。また,病態が進行して末期腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり,元の腎機能への回復は困難になります。(急性の腎臓病については,機能回復の見込みもあると言われています。)しかし,食事をはじめとする生活習慣の改善や薬物療法などにより病状の進行を抑制出来るほか,近年では医療技術の進歩により,透析療法や移植といった腎代替療法の中でもさらに選択肢が増えているため,より患者さん自身の生活に合わせた治療をおこなうことが可能になりました。

近年罹患者数の増加する腎臓病においては,早期発見と早期治療が特に重要視され,それを実現するための研究と技術開発が日々おこなわれています。
この機会に理解を深め,今後の診断と治療のあり方について考えてみませんか?
展示期間は3月31日(土)までとなっています。皆さんのご利用,お待ちしております。

今まで行ったテーマ展示の一覧は
http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/
から見ることができます。
ぜひチェックしてみてください!


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