依岡隆児先生(社会産業理工学研究部社会総合科学域 国際教養系教授)より,My Recommendationsコーナーに下記図書をおすすめいただきました。依岡先生,ありがとうございます。
それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。
人気小説家にして、大学工学部の元教員、子どもの頃は遠視のため文字を読むのに時間がかかり読書ぎらいだった。そんな筆者の「読書のススメ」です。
つまらない本の読み方とか、自分で読む本を選ぶという本選びの唯一の方法とか、人に勧められて本は読むべきではないという主張などなど、ずいぶんと型破りな読書論です。しかし、よくよく読むと書いていることはしごくまっとうです。たとえば「広く読む」ことを勧めますが、それは読書とは未知に触れることに「価値」があるからなのです。
ものごとを考え続けているとき、従来の考え方やアイデアにいくら触れても、オリジナルな発想にはなかなかならない。その先に飛躍をもたらすためには、自分の狭い専門や嗜好性からいったん離れることが必要だ。そのときにこの「広く読む」という読書のやり方が役に立つというのです。
特に研究に行き詰まりを感じている学生さんにおすすめです。文学を専門としながらどちらかというと雑学系である私も、実はこの「広く読む」ということを実践しております。専門的成果のほどはさておき、それでずいぶん研究上、仕事上、救われてきたように思います。これを読むと、自分がまず読まないような本、自分の守備範囲外の本も読んでみたくなるはずです。
本日(6/15)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。 KH