大山陽介先生(附属図書館長・理工学部数理科学コース教授)より、
My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。
大山先生、ありがとうございます。
タイトルとともに、お寄せいただいた書評をご紹介します。
(No.200)銀河の片隅で科学夜話
全卓樹 朝日出版社 (2020/02/19)
高知工科大学で図書館長を務められておられる全卓樹さんは、どこか戦友のように感じられる(お会いしたことはないけど接点はあった)。
この本では、数式を全く使うことなく、宇宙や生物学やGoogleのページランクの話など科学のさまざまなトピックを横断してゆっくりと散策しています。時代もベクレルの昔の話もあればインターネットのレビューによる「多数決」の危険性まで様々な時系列で緩やかな流れで語られています。
数式を全く使わない科学解説で面白いところまで書くのは難しいのですが、現代的に成功させた一冊です。
(No.201)数学のまなび方
彌永昌吉 ちくま学芸文庫 (2008/11/10)
私は「〇〇のまなび方」「〇〇の書き方」という本が嫌いである。学び方は人それぞれで共感できた試しがない。偉い学者の学び方など凡人の私に参考にならないのである。
では、なぜこの本を薦めるかというと、この本の一節
『数学者の吉田(耕作)さんは,"われわれにわかりよいように…抽象的に願います"
といわれました.森口(繁一)さんは"これはたいへんおもしろい。会社の人たちの
集まるときには,われわれにわかりよいように…具体的に,といわれるのですが"』
という箇所が、数学のまなび方ではないけれど、数学者の考え方をよく示しているから。
そこだけでも手に取って読んでみてください。この本は数学と関係ない、こうした与太話が楽しめる本です。
(No.202)数学の言葉で世界を見たら
大栗博司 幻冬舎 (2025/03/26)
著名な物理学者である大栗博司さんが「娘に贈る数学」と著した科学解説です。
初学者向けに数学の解説をすると、素数とか幾何やトポロジーの話がどうしても多くなり、本書でも素数の話は扱っているが、物理学者の視点からか一味違う切り口になっている。こうした解説では珍しく微積分についても少し触れている。
大栗さんは大学で私の1年先輩であって学生時代から交遊がある。その頃も今も、大栗さんは数学者の私よりも数学がずっとできて、いつもわかりやすくキレの良い話をされます。少し数式が出てくるところもあって大変なのですが、わかる章だけでも読んでみてください。