徳島大学名誉教授 吉本勝彦先生より,My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。
吉本先生,ありがとうございます。
「すばらしい医学―あなたの体の謎に迫る知的冒険」
山本健人 (著) ダイヤモンド社 (2023/9/13)
それでは,お寄せいただいた書評をご紹介します。
外科医が医学の発展に鍵となる出来事を逸話を散りばめながら解説している。この中で内分泌領域の2点を紹介する。
医療従事者によく知られているコッヘル鉗子。その鉗子を考案したエミール・テオドール・コッヘルは、出血コントロールが難しかった甲状腺の手術に成功した。さらに甲状腺全切除によって粘液水腫に至ることを明らかにし、1909年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
ドリトル先生のモデルと言われた外科医ジョン・ハンターは人体の骨格の収集にいそしんだ。特に身長231cmのチャールズ・バーンの骨格標本が有名だ。私の共同研究者であるKorbonits教授は、この歯からDNAを抽出し家族性巨人症の原因遺伝子であるAIPの胚細胞変異を確認した(N Engl J Med 2011; 364:43-50)。
一般向けの書籍であるが、どの項目から読み進めても興味をかき立てられる。医療関係者にとっても知識を整理するのに適した本。
本日(1 /11)より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。
KO