それでは,いただいた書評と併せてご紹介いたします。
『ローマ人の物語』(塩野七生 / 新潮社)
「(試験がなければ)歴史は面白い!」
史実に基づいてはいるが歴史書ではなく,ローマ社会とローマ人の生き様の変遷を著者の視点で叙述した壮大な物語である。歴史の授業で習うハンニバルやユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)といった英雄たちの活躍だけではなく,衰退期に入ったローマを支えようとした普通の人々の絶望的な努力や,ついには瓦解したローマの終焉までを生き生きと描いている。ローマ社会は西洋社会の原点といわれるが,その間には大きな隔たりが存在し,その隔たりが宗教によって形成されたことに気付かされると,宗教が現代に続く西洋社会に与えた影響の大きさが実感できる。
高校で世界史を選択しなかったが,物語が好きな方にお勧めする。
本日より,蔵本分館1階ホール,My Recommendationsコーナーに展示しております(※)。ぜひ手に取ってご覧くださいね!
※全43巻のうち,1巻と2巻を展示中です。3巻以降は2階中央閲覧室に配架していますので,お探しの際はご注意ください。
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