2025年6月17日火曜日

My Recommendations No.190「集中講義!おなかの身体診察 : フィジカル&腹診で腹部症状に立ち向かえ」

徳島大学名誉教授 吉本先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

吉本先生、ありがとうございます。


集中講義!おなかの身体診察 : フィジカル&腹診で腹部症状に立ち向かえ

中野弘康 (著)医学書院 (2025/3/10)


それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


腹痛患者に安易にCT検査、超音波をオーダーしていないだろうか。病歴とバイタルサインから疾患を想起した後、特異度の高い身体所見を見出すことが重要で、画像診断は診断確定のために実施することを勧めている。 例に挙げると、急性虫垂炎は、腹痛(内臓痛である心窩部痛)→食欲低下・嘔気→圧痛(右下腹部に限局する体性痛)→発熱→白血球上昇の順で起き、この順番が大切という。一方、機能性消化管障害などの慢性の腹痛には、漢方での腹診の導入が診断に重宝する。コラムも充実しており、「漢方の使い方―general appearanceと漢方」や「不定愁訴に隠れた貧血に介入する」が役に立つ。 本書においては、豊富な写真や動画を参考にしながら、身体所見のポイントや診察のコツが取得できる。


  本日(6/17)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。



                                                                                        YB

2025年6月10日火曜日

My Recommendations No.189「診療ハック : 知って得する臨床スキル125」

徳島大学名誉教授 吉本先生より、My Recommendationsコーナーに下記の図書をおすすめいただきました。

吉本先生、ありがとうございます。


診療ハック : 知って得する臨床スキル125

矢吹拓編集 医学書院(2025/4/7)


それでは、お寄せいただいた書評をご紹介します。


毎日の診療に役立つ「臨床の知恵」が盛りだくさんで、目から鱗が落ちる項目が多い。

「咽頭後壁を見るときは息を吸ってもらう」、「ワクチンをゆっくり注入すると痛みを感じやすい」、「直腸内から便検体用のスワブで検体採取すれば、いつでも便培養検査が可能」、「鉄剤処方は1日半錠(クエン酸第一鉄ナトリウムは50mg/錠)で良い」などが印象に残る。

腸管から吸収できる鉄の量は1日7mg程度だ。1日15mg、50mg、150mg投与で、貧血の改善率は差を認めず、副作用の頻度は服用量が多い群ほど高かったという結果がある。1日半錠は効果発現・副作用回避のためにも良さそうだ。

このほか、コミュニケーションスキル項目も含まれており、臨床能力の涵養に役立つ。



  本日(6/10)より、蔵本分館1階ホール、My Recommendationsコーナーに展示しております。ぜひ手に取ってご覧ください。




                                                                                        YB